エルヤフ・ゴールドラッド博士の書いた「ザ・ゴール」という本とご存じでしょうか?
日本語版が発売されたのは2001年のことで、当時、黄色い表紙の分厚い本が本屋さんに平積みされていて、結構のヒットになりました。
ビジネス書でありながら、小説の形で書かれた本は500ページでありながら、夢中になってアッという間に読み終えた記憶があります。
この本は、いわくつきで、著者はこの本の出版から17年間、日本語訳を出すことを拒んでいたというのです。
当時は、日本は品質の高いものづくりで世界を席巻しており、これ以上、日本を強くすることを著者が望まなかったということのようです。
「ザ・ゴール」は、制約の理論(TOC)の本当に基本的な考え方を教えてくれます。
小説の中で、主人公のアレックスは、工場長として3か月の間に工場の収益をアップさせなければ、工場を閉鎖するというところから物語が始まります。
この本では、工場のオペレーションの中でのボトルネック(制約)が、工場全体のスループットを決めているという、言われてみれば当たり前のことに、苦労しながらたどり着き、そしてメンバーが知恵を絞って解決していくというストーリーになっています。
この本だけを読むと、TOCは工場のオペレーションを改善するツールだと誤解する人が出てくるのですが、「ザ・ゴール2」では、事業を革新したり、新しい事業を開拓することにも非常に役に立つことを、実例とともに教えてくれます。
もちろん、製品開発においても、この手法は活用することができます。
部分最適でなく、プロセス全体、事業全体を見渡して、企業の究極の目的が「儲け続けること」という大前提の上にたって、全体最適をしっかりと築き上げていくということです。
また、すぐに解決策に飛びつくのではなく、しっかりと現状を分析し、目指すべきゴールをしっかりと決めた上で、そこへ向かって改善を続けていくというのは、ビジネス上のどんな場面にも役立つでしょう。
二代目社長支援研究会では、TOCのノウハウを提供することができます。
企業内の現状の課題を、核となる根本原因と、それに連なるその他の問題を因果関係で結んだ現状ツリーを作り、そこから未来のあるべき姿を描き、解決ステップを細かく決めていきます。
地道な進め方ではありますが、本質を突いた改革手法として、ぜひとも参考にしていただきたいと思います。